召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

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 そう自分に言い聞かせ、アゼリアをベッドの上にそっと置いた。

「本当に魔術への耐性がないんですね」

 ほんの少し眠慰(ネムリエ)をかけただけで、これである。馬車から降ろしても、移動している間も、アゼリアが起きることはなかった。時折、唸り声を上げることはあったが、抱き方を変えると、すぐにまた穏やかな顔になる。
 
 しかし今はそんな心配をしている暇はなかった。私には私のやるべきことがある。アゼリアが寝ている今しか、それはできないのだ。

 私はアゼリアと共に馬車から降ろした鞄を、寝室のテーブルの上に置いた。タロットカードを取り上げなくとも、確認をするだけなら、許されるだろう。

 罪悪感は拭えなかったが、それでも私には向き合う資格がある。まるで自分を洗脳するかのように暗示をかけた。

 そっと鞄からポーチを取り出す。あまり見たことのない形だったが、アゼリアが開けているところを何度も見ているから、やり方は知っていた。摘みのようなものを掴み、一気に横に引く。ジャーという変な音に驚いたが、これはアゼリアがやっていた時にも聞いた音だ。