召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「まったく、私を喜ばせたいのか、困らせたいのか……どちらなのですか?」
「だ、だってぇ……」

 急に我が儘なんて無理よ!

「……こちらのことなど気にせずに、寝たいのなら寝てください」
「そんなことはできないわ!」
「頑固ですね、アゼリアは」
「グリフィスに言われたくないわよ」
「私が頑固?」
「そうよ」

 自覚がないの? と詰め寄った瞬間、周りから黄色い声が耳に入った。いやいやその前に、今の私の状況だ。

「な、何をするのよ」
「すぐに寝たいほど疲れている妻を、歩かせるのが忍びないと思いまして」
「だからって、急に抱き上げられたらビックリするでしょう!?」
「それはすみません。私はアゼリアがいうように、融通が利かない頑固者ですから」
「〜〜〜っ!」

 そこまでは言っていないのに。だけどなぜか抵抗する気にもなれず、私はグリフィスに横抱きにされたまま、馬車に乗り込んだ。