召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「グリフィス。これはちょっと、上等過ぎない?」
「もしや料金の心配をしているのですか? 大丈夫ですよ。知り合いの方に貸していただいたので」

 平然といっているが、その知り合いの方というのは、もしかしたら貴族か何かかしら。グリフィスを気にかけるマダム的な存在とか。

「……何か誤解しているようなので先に白状しますが、その知り合いというのは、ヘルガの恋人です」
「えっ、交易関係の人だっていう……」
「はい。実はアゼリアのことで申し訳ない、と言っていました。これはそのお詫びだそうです」
「どういうこと?」
「図書館での占いの件ですよ。どうやらヘルガは、人脈のある恋人を使って、盛大に宣伝をしていたらしく。その結果、予想以上に人が来てしまい、ずっと気を揉んでいたそうです」

 あぁ~、そういうことか。確かにヘルガならやりかねないわね。だけど……。

「元々彼女が企画したようなものだし。図書館の集客に貢献できたから、私はむしろ助かってる方なんだけど」
「……アゼリアは謙虚過ぎます。ヘルガにいいように利用されているではありませんか。もう少し我が儘を言った方がいいです」
「十分、我が儘を言っているよ」

 経営困難な図書館で、司書として雇ってもらえているんだから。それもグリフィスの伝手で。これ以上、欲張ったら罰が当たってしまうわ。

 けれど私の不満など、グリフィスには伝わらなかった。私生活でも十分、お世話になっているというのに、さらに我が儘を言え、というグリフィスの方が私には理解できなかった。