召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

 この相談所は、図書館の利用者の邪魔にならないようにするため、入り口付近に設置してある。そのため、外の様子を探り易いのだ。
 とはいえ、私のいた世界とは違い、この図書館の出入り口はガラス張りの扉ではない。それなのにグリフィスがいるだなんて……と、すでに相談者がいないロビーを見渡すと、その意味をすぐに理解した。

「早く早く。外に凄くカッコイイ人がいるらしいわよ」
「え〜。何言っているの? ここは繁華街から離れた場所なのよ。そんな人、いるわけないでしょう?」

 それがいるんだな、これが。どの世界でも、イケメンは注目を集めるらしい。さながら有名人並みである。

「心配いらないですよ。旦那さん、アゼリアさんしか見ていませんから」
「誰もそんなことは聞いていないです。あと、有り得ない……と思います」
「毎日こうして定時に合わせて迎えに来てくれているんですよ? そちらの方が有り得ません」

 そう言われると否定できない。けれど私とグリフィスは偽装結婚の関係だし、迎えに来るのは黒いフードの男たちを警戒してのことである。