召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「分かりました。アイツの腹が決まるまで、俺もじっと待ってみます。根比べと思えばいいってことですから」
「大変かと思いますが、無事に仲直りができることを祈っています」
「こちらこそ、ありがとうございました」
「もしもよろしければ、図書館にも陶芸関係の本がいくつかあります。トラブルになった原因は、存じませんが、タロットカードが出した三枚は、どれも新たな挑戦とも読むことができます。何か仲直りになるような本が、もしかしたら見つかるかもしれませんので、是非、覗いてみてください」
 
 そもそも、エースが二枚出ただけでも凄いのだ。小アルカナの中でも始まりを表すカードが二枚も出た、ということはそれだけお二人の想いが強く反映されているということ。だから衝突してしまうのかもしれなかった。

「……なかなか商売上手だな」
「宣伝もしなければ、ここで占いをする意味がありませんから」
「それもそうか。だけど折角来たんだ、ちょっくら覗いてみますよ」
「ありがとうございます」

 今度は私の方がお礼を述べた。そう、図書館で占いをするのは、これが目的だった。正確にいうと、ヘルガたちが新たな集客として考えた方法、といった方が正しい。一カ月前、同僚と一緒になって、懇願して来た理由でもある。

 素直にそう言ってくれれば、私だって貢献したのに。占いは恥ずかしいし、毎日知らない人を相手にしているのはストレスだけど、図書館のためなら我慢できる。

 私だって、本が好きだから司書になったのよ。これくらい役に立ってみせるわ。