召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

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「どうぞ」

 テーブルの上に、薔薇の絵柄が描かれたカップをそっと置く。

「ローズティーです。リラックス効果があるそうですよ」
「……こんなお茶まであるの? ウチには」
「アゼリアが好きだと言っていたので、色々と取り寄せてみたんです」

 お茶関連の本は、問屋から取り寄せ。日中、お客がいない間に本屋で読み明かしていた。いい暇つぶしにもなったし、やはり新しい情報を脳に入れるのは楽しい。

 魔術書のほとんどを読み明かしてしまった後だったこともあり、私にとってもいい気分転換だった。

「本に載っていた通り、香りや味によって、こうも気分が変わるものなのですね。アゼリアのお陰でいい勉強になりました」
「……そ、そうなんだ。グリフィスの役に立てたのなら良かったわ」

 戸惑ったような返事をされたが、カップに口をつけた途端、アゼリアの表情が和らいだ。それを見ただけでも成果はあったというものである。

 これからもいくつか仕入れてみよう。入れ方にも色々ある、と本には書いてあった。