召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「ごめんね、ヘルガ。ちょっと邪推しちゃって……」
「あぁ、うん。大丈夫。アゼリアが勘違いするのも理解できるから。でも、好きだった人の奥さんにわざわざ近づくほど、性格は悪くないわよ」
「本当にごめんなさい」
「いいって。それよりも新しい恋の方を占ってほしいかな。いつまでも失恋を引きずりたくないのよ」

 グリフィスの話から推測すると、相手は図書館の人だものね。しかもヘルガは告白すらしていないというのだから、相手は遠慮なく幸せオーラを、周りに振りまいているに違いない。勿論、ヘルガに対しても。

 うん。これは確かに辛いよね。だけどすぐに、次の恋を見つけることなんてできるわけもない。私の占いを頼ってくれた意味が分かって、少しだけ安心した。

「腕前は素人だけど、ヘルガの力になれるように頑張るね」
「ありがとう。アゼリアのそういうところ、大好きよ」

 うふふっ、とヘルガと見つめ合っていると、「やはり同席していて良かったです」と横からため息とともに、そんな呟きが聞こえてきた。けれど私は聞こえない振りをして占いの準備に取り掛かった。