召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「普段から占いをしているわけじゃないから、色々とね。あと、失礼って言っていたけど、グリフィスの方がもっと失礼じゃない?」
「そんなことはありません。初対面でもないのですから」
「え? そうなの?」

 今度は私が首を傾げ、ヘルガの方を見た。するとグリフィスの言葉が意外だったのか、もしくは心外だったのか。今にも立ち上がらんばかりの顔をして、グリフィスを睨みつけていた。

「別におかしくはないでしょう。アゼリアを紹介したのはそもそも私なのですから。ヘルガの他にも、図書館には知人がいるんですよ」
「だったら先に言ってくれればいいのに。グリフィスも、ヘルガも」
「それは――……」
「アゼリアが慣れるまで内緒にしていてほしい、と頼んでおいたんです。要らぬ気を回すでしょうから」

 否定はできない。でもそうか。さっきからヘルガがグリフィスを睨んでいるのは、それが理由だったのね。

 図書館から自宅までの間にした会話も、これで納得した。知り合いだったからこそ意表を突きたいし、その姿を見てみたい。グリフィスは美麗な容姿もさることながら、常にポーカーフェイスを崩さない男だからだ。