召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「グリフィス!」
「ん? なんですか? 他にも必要なものが――……」
「ありがとう。それを言いたかったの」
「いいんですよ。アゼリアは被害者なんですから。私がこうして世話をするのは当たり前のことです」
「え? それはどういうこと?」
「アゼリアはこの世界に来たくて来たわけではありませんよね。だから」

 被害者、だと言いたいらしい。確かにその通りだし、帰り方も分からない。一度グリフィスに聞いたことがあったけれど、「魔術に関することですから、私には……」と言われてしまったのだ。

「せめて私にできることはしたいのです」
「で、でもっ!」
「ここで不毛な議論はやめましょう。今、アゼリアがやるべきことは、お客様のところへ行くことです。違いますか?」

 ううん。グリフィスの言っていることに間違いはない。でもね。素直にお礼を受け入れてくれたっていいのに、と思うのはいけないことなのかな。贅沢な悩み?