召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「どうかしたんですか?」
「実はヘルガに占ってほしいって言われたんだけど、敷物がなくて」
「占い……ですか」

 グリフィスの思案する声に私はハッとなった。いくらヘルガが占いに興味を持ってくれたとしても、それがこの世界の人たちの認識だと思うのは、あまりにも軽率な判断だった。どうして深く考えなかったんだろう。

 さすがのグリフィスでも、軽蔑したかしら。

「それなら、あの布がちょうどよさそうですね。明るめのグレーなんですが」
「え?」
「暗めの方がよろしかったですか? それとも別の色が」
「ううん。それでいい。じゃなくて、それがいい」
「良かったです。お茶と一緒に持っていきますね」

 柔らかい笑みを浮かべると、グリフィスは私に背を向けてキッチンから出て行こうとした。

 色々と行動を制限するのは、私があの黒いフードの男たちに狙われているからで、基本はなんでも肯定してくれるグリフィス。必要なものを揃え、異世界でも何不自由なく過ごせているのは、すべてグリフィスのお陰である。

 そして今も……私のすることを否定せず、必要なものを用意してくれる。これに文句を言ったら罰が当たる。