召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「そういう言い方は卑怯よ。鍵と一緒に教えてくれればいいだけの話でしょう?」
「……本音を言わせてもらいますと、知らない人間が家に入って来るのが嫌なんです」
「えっと、それは……うん。私もそういうところがあるから分かる……」

 けれどグリフィスと初めて会った時、すぐに家に入れてもらった。あれは良かったのかな?
 あぁ、そうか。緊急事態だったから、グリフィスも気にしなかったのかもしれない。私も判断が鈍っていたし、そもそもこの偽装結婚自体、グリフィスからの提案だったのだから。

「そういうわけですから、そろそろリビングに戻ったらどうですか? いつまでも待たせておくのは失礼ですよ」

 グリフィスの言い分も理解できるけど……なんだろう。この腑に落ちない感情は。

「あとでアゼリアの好きなカモミールティーを持っていきます。他に必要な物はありますか?」
「ないけど……あっ!」

 そういえば私、アレを持っていないんだった。