「ねぇ、ここで不毛な議論をしていても、玄関は開かないわけだし。ここはグリフィスのところに行ってみない?」
「え? アゼリア、場所知っているの?」
「っ! 当たり前じゃない。お、夫の仕事先くらい、知っているわよ」
売り言葉に買い言葉で咄嗟に出てしまった。偽装とはいえ、一応夫婦なのだから、グリフィスを夫と言っても不思議ではない。だけどつい、言葉に詰まってしまった。
疑われたかな、と思いそーっとヘルガの方に視線を向ける。するとなぜか、満足そうに微笑むヘルガの姿が目に入った。
「えっ、何?」
「ううん。一方的じゃないんだって分かったら、ついね」
「一方的? 何が?」
「残念だな~。鏡を持っていたら、見せてあげられるのに」
「だ、だからなんなのよ!」
一向に本当のことを言わないヘルガに、私は前のめりになった。
「今のアゼリアの顔。真っ赤なんだもの」
「えっ!?」
「結婚して、まだ一年は経っていないんでしょう? アゼリアも満更じゃないって分かって安心したのよ」
「~~~~~っ!」
嘘っ! 満更じゃないって……ううん。一応、夫婦という関係なんだから、この反応で合っているはず。ヘルガが上手い感じに勘違いしてくれたんだから、今はそれに乗るべき……なんだけど。
これが演技じゃないってところが、一番の問題だった。
「え? アゼリア、場所知っているの?」
「っ! 当たり前じゃない。お、夫の仕事先くらい、知っているわよ」
売り言葉に買い言葉で咄嗟に出てしまった。偽装とはいえ、一応夫婦なのだから、グリフィスを夫と言っても不思議ではない。だけどつい、言葉に詰まってしまった。
疑われたかな、と思いそーっとヘルガの方に視線を向ける。するとなぜか、満足そうに微笑むヘルガの姿が目に入った。
「えっ、何?」
「ううん。一方的じゃないんだって分かったら、ついね」
「一方的? 何が?」
「残念だな~。鏡を持っていたら、見せてあげられるのに」
「だ、だからなんなのよ!」
一向に本当のことを言わないヘルガに、私は前のめりになった。
「今のアゼリアの顔。真っ赤なんだもの」
「えっ!?」
「結婚して、まだ一年は経っていないんでしょう? アゼリアも満更じゃないって分かって安心したのよ」
「~~~~~っ!」
嘘っ! 満更じゃないって……ううん。一応、夫婦という関係なんだから、この反応で合っているはず。ヘルガが上手い感じに勘違いしてくれたんだから、今はそれに乗るべき……なんだけど。
これが演技じゃないってところが、一番の問題だった。



