召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

 前の職場と同じ、図書館の中だから、つい……。

「ということは、占えるの?」
「えっと、その……」
「しかもこれ、タロットの本よね。わぁ〜、凄い!」
「す、凄い?」

 気味が悪いとかじゃなくて? そもそもこの世界の占いの概念を知らなかったから、ヘルガの反応が正しいのか、判別がつかなかった。

「うん。私も興味はあるんだけど、何がなんだかちんぷんかんぷんで」
「私も最初はそうだったよ」
「でも、占えるんでしょう?」
「……た、多少は」

 どうしてここで、「全然!」「カードを集めるのが趣味なの」とか、どうして言えなかったのだろう。披露したい見栄とか、私の変なプライドが、おそらく邪魔をしたのだ。
 私がそんな言葉を発すれば、次にヘルガが言う言葉など容易に想像がつくというのに。

「それなら、私のことを占って」

 ほらね。

「へ、下手でもいいなら、いいよ」
「本当?」
「うん。でも、カードを持ってきていないから、さすがにすぐは――……」
「それなら、一緒に早引きしない?」
「え?」

 なんで早引き? まぁ、利用者も少ないし、私とヘルガがいなくなっても大丈夫そうだけど……。