召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

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 グリフィスが経営する書店は、店主の華やかさとはうって変わって、地味な店構えだった。そう、書店というより、古書店に近い雰囲気を持っている。

 扉を開けると、独特な本の匂いと、きちんと並べられた本棚。閑古鳥が鳴いているわりに埃がないところも、グリフィスらしいと思えた。けれどカウンターの上やバックヤードには、届いたばかりの本が無造作に置かれている。
 これらをチェックするのはグリフィスの役目であり、私はそれを本棚へと入れる。図書館と同じでカートもあるし、踏み台もあるから、それほど大変な作業ではなかった。

 ほとんどお客さんが来ないから、その合間に気になる本を読むこともできたからだろう。過保護なところがあるグリフィスも、こればかりはダメだと言わなかった。

 カランカラン。

 扉に付けているドアベルの音が鳴る。それと同時に、カウンターから物音が聞こえ、グリフィスが応対に行ったのだと分かった。
 これはお客さんではなく、問屋さんか、知り合いのどちらかだろう。私はそのまま視線を手元の本へと戻した。

「アゼリア。そろそろお昼にしましょうか」

 しばらくすると、グリフィスが声をかけてくれた。もうそんな時間かと思ってバックヤードへ入ると、テーブルの上に見かけない包みが置いてあった。