「近くに置いていたら、何かの拍子で戻ってしまうことが怖くなったの。あのタロットカードには、それだけの力が備わっている。そして、感情も。彼女がグリフィスみたいに私を尊重してくれる保障はないでしょう?」
「そうですね。私への腹いせに、突然そうしてしまうかもしれません」
グリフィスが魔塔の主になったのも、ウルリーケをタロットカードに封じた功績を評価されてのことだった。だから普段は、この街で書店を経営しているのだと聞いた。早く他の者に譲りたいがために。
「私は、元の世界に戻るつもりはないの。ずっと支えてくれたグリフィスを、今度は私が支えたいから」
「アゼリア……」
「そのアゼリアという名前も、実は気に入っているのよ」
私はニコリと笑って、グリフィスに抱きついた。その拍子に木陰へと誘導する。自分よりも大きい男性を誘導なんて、普段はできないけれど、グリフィスは私の意図に気づいてくれたのか、素直に応じてくれた。
それさえも愛おしいと思う気持ちを、どう伝えたらいいんだろう。私も素直になれたらいいのかな。この感情をそのまま、口に……。
「愛しています」
けれど、先にグリフィスに言われてしまった。
「すみません。これだけは先に言いたかったのです」
「ううん、謝らないで。私も同じ気持ちだから」
嬉し過ぎて、グリフィスの胸に顔を埋めた。だけどグリフィスが望んでいるのは別だった。少しだけ体を引き離されて、思わず「あっ」と声が漏れた。
「同じ気持ちなら、アゼリアの口からも聞きたいです」
「私も、私も愛しているわ」
すると、顎を持ち上げられ、グリフィスの美麗な顔が近づいて来る。目を閉じた瞬間、唇が触れた。
「そうですね。私への腹いせに、突然そうしてしまうかもしれません」
グリフィスが魔塔の主になったのも、ウルリーケをタロットカードに封じた功績を評価されてのことだった。だから普段は、この街で書店を経営しているのだと聞いた。早く他の者に譲りたいがために。
「私は、元の世界に戻るつもりはないの。ずっと支えてくれたグリフィスを、今度は私が支えたいから」
「アゼリア……」
「そのアゼリアという名前も、実は気に入っているのよ」
私はニコリと笑って、グリフィスに抱きついた。その拍子に木陰へと誘導する。自分よりも大きい男性を誘導なんて、普段はできないけれど、グリフィスは私の意図に気づいてくれたのか、素直に応じてくれた。
それさえも愛おしいと思う気持ちを、どう伝えたらいいんだろう。私も素直になれたらいいのかな。この感情をそのまま、口に……。
「愛しています」
けれど、先にグリフィスに言われてしまった。
「すみません。これだけは先に言いたかったのです」
「ううん、謝らないで。私も同じ気持ちだから」
嬉し過ぎて、グリフィスの胸に顔を埋めた。だけどグリフィスが望んでいるのは別だった。少しだけ体を引き離されて、思わず「あっ」と声が漏れた。
「同じ気持ちなら、アゼリアの口からも聞きたいです」
「私も、私も愛しているわ」
すると、顎を持ち上げられ、グリフィスの美麗な顔が近づいて来る。目を閉じた瞬間、唇が触れた。



