召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「ねぇ、グリフィス。慈善バザーって、タロットカードとか置いていないかな?」
「突然、どうしたのですか?」
「その……なんとなく、あのタロットカードをこれまで通りに使っていいのか、悩んでしまって……」

 そう、タロットカードだ。相談所では、これまで通り、ルノルマンカードとタロットカードを使うつもりでいた。相談者も、そのやり方を人伝に聞いていたから、図書館に足を運んでくれていたのだ。ただの興味本位の人も、いるとは思うが、あの行列に並べるだろうか。

 すると、ある一点が気になった。

「グリフィスも読んだでしょう。魔塔からの報告」
「……元の世界への帰還、のことですね」

 周りに人がいたため、グリフィスは小声になりながら私の肩を掴み、脇道へと入る。そのスマートさにさすがだと思いながら、自分の脇の甘さに嫌気がさした。

 ついさっき言われたばかりなのに。

 だけどこういうのは、言える時に言わないと、機会を逃してしまうような気がしたのだ。

「ここなら、大丈夫でしょう」
「ごめんなさい、グリフィス。場所も考えずに、突然」
「いえ、驚きはしましたが、いずれはしないと、と思っていましたので。それで、タロットカードの使用に悩んだ原因は、やはり……戻りたいからですか?」
「っ! 違うわ!」

 思わず大きな声が出てしまったが、後悔はしていない。