「センスもいいから、文句も言えない」
さらに鏡台の前で髪をセットする。寝癖がないことも確認し、いざ、その人物のところに向かって扉を開けた。すると、焼けたパンとコーヒーの匂いが、すでに廊下に充満している。まさに私の食欲を唆らせるラインナップに、思わず愚痴る。
「相変わらず隙がないんだから」
廊下から見える台所へと通じる扉を、恨めしそうに見つめていると、今度はお腹の音が鳴った。咄嗟に隠すも、後の祭り。台所が開け放たれていたこともあり、中にいた人物の耳に、しっかりと届いていたようだった。
「アゼリア。そこで何をしているのですか?」
「えっと、その……おはよう、グリフィス」
「……おはようございます。朝の挨拶も大事ですが、そこで蹲っている暇など、私にはないと思うのですが」
「っ!」
そうだった。私の朝は忙しい。小走りでグリフィスの横を通り過ぎ、台所へと入る。テーブルには案の定、焼き立ての食パンとコーヒーが並んでいた。その横には、付け合わせのサラダも置いてある。
これを今から流し込むように食べるのは忍びない。だけど私に残されている時間はなかった。
さらに鏡台の前で髪をセットする。寝癖がないことも確認し、いざ、その人物のところに向かって扉を開けた。すると、焼けたパンとコーヒーの匂いが、すでに廊下に充満している。まさに私の食欲を唆らせるラインナップに、思わず愚痴る。
「相変わらず隙がないんだから」
廊下から見える台所へと通じる扉を、恨めしそうに見つめていると、今度はお腹の音が鳴った。咄嗟に隠すも、後の祭り。台所が開け放たれていたこともあり、中にいた人物の耳に、しっかりと届いていたようだった。
「アゼリア。そこで何をしているのですか?」
「えっと、その……おはよう、グリフィス」
「……おはようございます。朝の挨拶も大事ですが、そこで蹲っている暇など、私にはないと思うのですが」
「っ!」
そうだった。私の朝は忙しい。小走りでグリフィスの横を通り過ぎ、台所へと入る。テーブルには案の定、焼き立ての食パンとコーヒーが並んでいた。その横には、付け合わせのサラダも置いてある。
これを今から流し込むように食べるのは忍びない。だけど私に残されている時間はなかった。



