召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「もっと知れば、行きたい場所が増えるし、変な人にも騙されないでしょう?」
「アゼリアのことですから、それは分かりません。ただ、そこに私もついて行っていいのなら、ご希望通り、用意いたしますよ」
「勿論! グリフィスがいてくれないと困るわ。一人だと不安だし、それに私たち……夫婦でしょう? 一緒に行動するのは、当たり前じゃない」

 自信満々に言ったものの、最後は恥ずかしくて小さな声になってしまった。けれど私とグリフィスの距離は、あってないようなもの。
 顔を下に向けると、嫌でも目が合ってしまうため、横に逸らした。するとグリフィスは、私の膝から降りて、隣に移動した。その瞬間、不意をつくように人の姿に変わった。

「っ!」

 相変わらず心臓に悪い。ウサギになった時は、目を細めてしまうほど愛らしいのに、人の姿になった途端、逆に目を見開いてしまうのだ。

「どうかしたのですか?」
「ううん、なんでもない。それよりも、どうしていきなりそっちの姿にしたの?」
「いけませんか?」
「悪いとは言っていないわ」

 むしろいいから困っている!
 ウサギの時は可愛くて、人の時はカッコいい。ズルいと思ってしまうほど、私好みなのだ。