召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「過去に行きたいって、マックスは願っていたでしょう? 私もこの世界に来る前に思ったの。ただ毎日仕事をして、職場と家を往復するなんて、つまらないなって」
「別の世界、もしくは別の人生を歩んでみたかった、ということですか?」
「うん。でも思った以上に、それは大変だった。グリフィスに支えてもらって、ようやく歩いていけていたから。それをマックスにも知ってほしかったの。前に進んでも、後ろを向いても、大変なことには変わらないってことを」

 この優しさ、安心感にあの男も惹かれたのだろう。声のトーンさえも、心が解れていく。

「……更生するかな?」
「それは彼次第です。図書館の職員に対しての危害。建物の損傷。禁書区画への侵入を試みた件も、また罪になります。あとは窃盗ですね。こちらはアゼリアだけでなく、禁書区画からタロットカードを召喚しようとしましたから、こちらも該当します」
「で、でも、どれもそこまで大きな罪ではないんでしょう? ラモーナたちだって軽傷だし、タロットカードだって戻ってきたんだから」
「だから、魔塔の管理下に置いたんです。罪は重くなくとも、やろうとしたことは危険ですから」
「つまり、見せしめってこと?」

 驚きのあまり、思わず見上げた。