召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

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「ありがとうございました。是非、図書館にもお立ち寄りください」

 相談者を見送りながら、お決まりの言葉を口にする。いくら司書の私でも、すべての相談者に、図書館の本をオススメできるわけではないのだ。そういう時は、決まってこのような言葉で見送っていた。

 私は椅子に座り直し、テーブルの上のカードを片付ける。猫のルノルマンカードと白ウサギのタロットカードを見て、ふと先日のやり取りを思い出した。

 ヘルガはどうして、このカードが盗まれると思ったんだろう。タロットカード自体は、この世界にもある。だから不思議なものではないはずなのに……もしも可能性があるのだとしたら、絵柄だろうか。

 マックスが調べていた遺跡に描かれていた模様はウサギ。このタロットカードの絵柄も、ウサギだから。

 まさかね、と首を横に振ると、扉がノックされた。これは次の相談者が来る合図でもあるため、私は気軽に「どうぞ」と声をかけた。すると、扉の先にいたのは、意外な人物だった。