召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

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「それで、マックスって男は何を要求したの?」

 帰り道、私は今日あった出来事をヘルガに話した。さすがに図書館のバックヤード内では話せない内容だったからだ。
 加えて言うと、今日も私の帰宅先がヘルガの家だから、というのもある。どういうわけか、あれから数日が経っても、グリフィスは自宅に戻っていないらしい。ヘルガ曰く「帰ったら、迎えに行くって言っていたわ。だからそれまでは、ね」ということで、本日もお世話になりに向かっていた。

「来週から再開する相談所に、自分の枠を入れてほしいって」
「まさか、それが目的だったの?」
「私も一瞬、そう思ったよ。二回目に会った時、名乗る前に私の名前を言ってきたから。でも……」
「何?」
「相談所には特別枠はないって言ったら、あっさり引いたの。だから、それが目的って感じがしない、というか……」

 うまく言葉にできない。禁書区画への立ち入りも、素直に聞いてくれた。初対面の時は、しつこかったのに。その代わりようを思うと、腑に落ちなかったのだ。
 しかしヘルガは別の意味に受け取ったようだった。