召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「あ、アゼリア!? 大丈夫? 豪華なディナーよりも、素朴な方が良かった? 今なら変更できるから言ってね」
「ううん、大丈夫。キャンセルしないで。折角、ヘルガが私のためにしてくれたんだもの。それが嬉しかったの」
「良かった。そうだ! アゼリアには相談所のこととか、色々と迷惑をかけたから、今日はその愚痴を聞くよ。たぶん、言い辛かったんじゃない?」
「それは……」

 嘘とは言えない。職場で言えない愚痴を、グリフィスに聞いてもらっていたのだから。それでも、ヘルガに聞いてもらいたいことはいっぱいあった。

「グリフィスの愚痴も大歓迎よ。ちょっと過保護が過ぎるというか……」
「まぁ……うん、否定できないかも」
「あとは、最近調べ物を手伝っているっていう利用者のこととか……大丈夫?」
「え? 何が? どっちかっていうと、構い過ぎじゃないのかって怒られると思っていた」

 普通、一利用者に、何日も付きっ切りで相手をする方が異常なのだ。とはいえ、臨時の仕事では皆の足を引っ張ってしまうから、他にやることもない。禁書区画の周辺の見回りだって、元々ラモーナ一人で事足りていたのだ。

 図書館自体、閑古鳥が鳴いている状態だったから、人手はすでに足りている。少しずつ利用者が増えたといっても、猫の手を借りたいほどではなかった。