召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「図書館だって、時々問屋さんから本を仕入れることがあるでしょう? 向こうが来てくれたり、私たちが行ったりしているじゃない。本屋を経営しているグリフィスだって、同じなのよ」
「……それはまぁ、そうだけど」

 そんな話、私だってグリフィスとしたことがないのに。なんでヘルガが?

「アゼリア。そんな顔をしないで。グリフィスだって残念がっていたんだから。直接言えないこととか、私に任せることとか。本当にアゼリアのことしか考えていないんだなって思うくらい、注意事項を言われたのよ」
「……ごめんなさい。つい、なんでって思っちゃって」
「無理もないよ。ずっと欠かさず迎えに来ていたんだから、それなのにいきなり人伝に連絡をもらったら、私だって悲しくなるもの」
「ヘルガも?」
「うん。だから今日はね。アゼリアのために、彼に頼んでちょっと豪華なディナーを用意したの。グリフィスと一緒じゃなくて寂しいかもしれないけど、美味しいものを食べに行こうよ」

 思わず私は両手で顔を覆った。一瞬でもヘルガに嫉妬を向けた自分が嫌になったのだ。

 ヘルガが好きなのはグリフィスじゃないのに。