召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

 辺りを見渡す素振りや発言から、誰かを探しているらしい。私は思わず横を向いた。けれど彼は顔を横に振り、顎をしゃくって私のことだと言っているようだった。

 なぜ? と首を傾げるが、彼はただ前を見据えるだけで応えてくれない。

「反応は確かにここだった」
「だが、誰もいないんだから、間違えたんじゃないのか?」
「そんなことはない。さっきまでここを指していたんだ」
「突然、消えたとでもいうのか? まさか、相手はそれほどの力を持った人物……だと?」
「それは当然だろう。我々の目的を遂行するために呼び出したのだから」
「……これが本当だとしたら、俺たちの手に余るのではないか?」
「……そうだな。一旦、戻った方がいいかもしれない」

 静かにそのやり取りを見守っていると、黒いフードの男たちは頷き合い、次の瞬間。

「っ!」

 男たちの足元が光り出したのだ。書店の帰り道、私が体験したのと同じ光。消える男たち。そして探している人物。危険だという彼。嫌でも答えが脳裏に浮かんだ。