召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「ぐ、グリフィス!?」
「抱きしめてもいいですか?」
「えっ!?」

 私たち、そんな雰囲気じゃなかったでしょう? それにここ、図書館の前! 公衆の面前!

「ダメに決まっているでしょう!」

 そう答えたところで、私たちの距離はすでに近く。周りからすれば、抱き合っているように見えるかもしれない。だけど、私は悪あがきのように抵抗した。

「せめて場所を考えて」
「では、家ならいいと?」
「っ! そういう意味じゃないけど……」

 そういう意味でもある。どっちなんだとツッコまれそうだ。いや、それよりも……。

「突然、どうしたの? こんなのグリフィスらしくないわ」
「私、らしくない、ですか」
「そうよ。普段のグリフィスはクールで、世話焼きで。たまにそこが暴走しがちだけど、今のこれは、それとも違う。私がグリフィスを怒らせたのは分かるけど――……」
「怒ってはいません。ただ……」

 グリフィスが私の手を離し、代わりにその手を背中に回した。抱きしめていいなんて言っていないのに、と顔を上げた途端、肩にグリフィスの頭が下りてきた。
 そしてボソッと呟く。