召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

 私は静かに、ウサギ獣人についての本を読み始めた。

 この世界に来て、獣人という存在を見てから、このように本格的に彼らのことを知ろうとしたのは初めてのことだった。おそらく、マックスの調べ事につき合わなければ、一生知ろうとはしなかったかもしれない。

 私にとって獣人とは、怖くもあり、可愛くもある。触れてはいけないような領域にあったからだ。けれど、模様に描かれたウサギを見て、なぜかこっちも調べた方がいいのではないか、と思ったのだ。

 そもそも獣人になれる獣と、なれない獣がいる。街中を歩いていた時、グリフィスが教えてくれた。だから、犬や猫のように、街中にいても、彼らが獣人かまでは分からないのだそうだ。それは公園にいるリスや鳥も同じらしい。

 ではウサギもそうなのか、というと、この本にも同じことが書かれていた。獣の中でも、知性と魔力が備わったものだけが獣人になれると。そのどちらかが欠如してしまうと、獣に戻ってしまうらしい。

 なるほど、なるほど。つまり、遺跡に描かれていたウサギは、獣人である可能性もある、というわけか。何かの象徴として描かれているのかと思っていたけれど、もしかしたら、遺跡に関わった獣人なのかもしれない。