召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「いつもありがとう、グリフィス。こうやって悩みを聞いてくれたり、身の安全を心配してくれたり、時々過剰かなって思うこともあるけど。この世界に来て、最初に出会ったのがあなたで良かったわ」

 二番煎じだとは思ったし、グリフィスの思い出を穢してしまうのではないか、という不安もあった。だけど私もグリフィスの心を癒してあげたかったのだ。いつも私の心を(ほぐ)してくれるから。

「では、抱きしめてもいいですか?」
「え?」
「人肌を感じたくて」
「ひっ!」

 人肌!? え、私たち偽装結婚で、本当の夫婦じゃなくて。だから、まだ……と思っていたら、背中に腕を回され、気がつくとグリフィスの体が近距離にあった。

 強引に抱き寄せたって怒りはしないのに、どこまでも優しい。だから私も、さらにグリフィスの体に密着するように抱きしめた。
 すると、なんとなくだけど、安心感が増す。心臓の音が聞こえるからかもしれない。

 一定のリズムをしていて……ドキドキが速まったり、増したりすることがどうしてないの!? 自分から言ったから?

 思わず顔を上げると、今度はグリフィスの顔が迫ってきた。驚いて目を瞑った瞬間、頬に温かいものが触れた。

 これってまさか! いや、でも、なんか面積大きくない?