召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「ごめんなさい」
「どうして謝るのですか?」
「だ、だって……勝手に触れようとしたから、悪いなって思ったの」
「悪いのですか?」
「え、えぇぇぇぇぇ」

 な、何、急に。これは逆に触れてほしいってこと? グリフィスが、私に!? とはいえ、はいそうですか、ともいかないのよ!

 けれど手を引っ込めることができなかった。そんなに強く掴まれていないというのに。こういう時でさえ、グリフィスは私の気を遣う。
 遠慮しないでほしい、と常々思うのに、またさせてしまった。どうしたら、本心を見せてくれるのだろうか。

「もしかして、撫でてもいいの?」

 その綺麗な顔の上にある金髪を、私のようなものが。

「どちらかというと、好きなんですよ。昔から撫でてもらうのが」
「……誰に?」
「姉です。何をしても敵わないから、せめて身の回りのことはしてあげようと。そしたら、いつも撫でてくれるんです「ご苦労様。あなたがいてくれて、本当に良かったわ」って。それがほしくてやっていたような気がします」

 珍しい。グリフィスが自分のことを話すなんて。それに「何をしても敵わない」ってさっきの続きかしら。家事全般を担うようになった言い訳のようにも聞こえるけど、お姉さんのことが好きだから、褒められるのも撫でられるのも好きなのね。

 そう思ったら、自然と手が前に出ていた。上に伸ばしたことで、掴んでいたグリフィスの手が離れる。