吹奏楽に恋した私の3年間

2月。
吹奏楽部は、何のイベントもなく、基礎練ばかりの日が続いていた。

吹奏楽は好きだけど、どこか心が重かった。

茄知子と弥簔との関係が、悪化してきているから。

茄知子とは、同じクラス。

でも、もう話しかけることもなくなっていた。

そして、茄知子は学校に来なくなった。

ある日の放課後。

担任の先生に呼び出された。

「最近、茄知子さんと弥簔さんと話してないけど、なんかあったの?」

私は、少し戸惑いながらも、全部話した。

「私、何もわかんなくて…何もしてないのに、急に無視されるようになってしまって…」

先生は、静かにうなずいていた。

そして、そろそろ席替えの時期も近づいている。

茄知子は、もともと学校に来るのが不安定な子だった。

だから、いつも私の隣にして、少しでも来やすくなるようにしていた。

でも、今回の件があって、先生は言った。

「少し離したほうがよさそうだね」

私は、うなずいた。

茄知子が完全に学校に来なくなってから、私が来ないようにいじめたと思われてそうで怖かった。

それが、今の私にできる精一杯の選択だった。

席が離れることで、何かが終わるような気もした。

でも、少しだけ、心が軽くなった気もした。

三月。
春休みは、新入生を迎える準備に取り掛かっていた。

私たちはその準備の一つ。

勧誘ポスター係を任せられていた。

メンバーは、詩妃と、芽衣歌。

春休みは部活がないから、空いてる日に私の家に集まって作ることになった。

詩妃は、ずっとなんか遊んでいて、 芽衣歌と私は

「もーーちゃんとやりなさあーーい!」

って笑いながら作業を進めた。

一枚目のポスターは、うまくいった。

でも、二枚目。絵の具を使って夕焼けを描こうとしたら、 なぜか毒みたいな色になってしまった。

「ああーーやばい!変な色!」

叫びながら、なんとか完成させた。

それもまた、私たちらしい春の思い出になった。