「やだ、違うってば!あまりにも場違いな格好してても、それはそれでどうかなと思っただけ。でも、今夜泊まるなら、ここにある服を着ていくしかないし、主役は友達だから⋯⋯ま、別に何でもいいよね」

いつもの週末と同じように、一緒にご飯を食べて、部屋で映画を観て、ゆっくりと甘い時を過ごしていたら、24時間なんてあっという間に経過。

早くも、合コンの時刻が迫ってきて、私は内心、億劫だと感じてモタモタしてしまう。

「なるちゃん、遅刻するよ。会場はどのあたりなの?」

「明大前」

「え、じゃあここからひと駅じゃん。もっと都心のほうかと思ってた」

「私も、新宿や渋谷なら嫌だったけど、明大前なら、ここからも近いし、そこまでゴミゴミしてないから、まぁいいかなって」

コウちゃんはクスクス笑い出す。

「どうしたの?」

「いや⋯⋯なるちゃんは相変わらず嘘がつけないというか、正直だよね」