「だーめ!だから、必ずしもOK出来るとは限らないから、あんまり期待しないでね?」

「ありがとう!どうにか説得してみて!」

合コンか⋯⋯。

興味本位で一度だけなら行ってみるのもいいような、やはり気が進まないような。

自分の部屋に帰る前に、彼氏であるコウちゃんのアパートに立ち寄ろう。



中学校入学の直前、私は父の仕事の都合で引っ越し、新しい家の隣には、同い年の少年が住んでいた。

それがコウちゃん。

未知の土地で、知人も居らず、転校生のように周りも配慮してくれないだろうし⋯⋯と、一緒に登校してくれた彼。

毎日一緒に過ごしていた延長線上で、なんだかとても自然な形で付き合い始めた。

故に、もう既に長い付き合いだが、彼の一人暮らしのアパートに寄るのは、未だに新鮮な感じがする。

ブザーを鳴らしてみたが、まだ帰っていないようだ。