やはり、彼氏が居るのに合コンに行くこと自体、最初からやめておけばよかったのだ。

今すぐにでも、コウちゃんに会いたい。

しかし、自分で合コンに行くと決めたのに、そんなワガママは言えない⋯⋯。

ブルーな気分のまま、明大前駅までたどり着いた時、

「なるちゃん」

もう、これまでに数えきれないほど聞いた、私を呼ぶ愛しい声にハッとする。

顔を上げると、会いたくてたまらなかった人が居て、驚いてしまう。

「コウちゃん!どうしたの?」

「飲み会なら2時間ぐらいで終わりかと思って、迎えに来たんだ」

私は、嬉しさと安堵と申し訳なさで、泣き出しそうになりながら、コウちゃんにしがみついた。

「どうした?なんか嫌なことでもあった?」

「私にはコウちゃんが居るのに、合コンなんか行ったのがいけなかったよね⋯⋯」

震える声でそう言うと、

「とにかく、帰ろう。話はゆっくり聞くから」