やっとのことでお開きということで安堵していたら、これから二次会のカラオケだという。

カラオケは好きだが、もう帰りたい⋯⋯。

店を出て、カラオケに移動する途中、男の子の一人が声をかけてきた。

「ねえ。名前、ナオミちゃんだったよね?」

一文字間違ってるんですけど⋯⋯と思いつつも、もう二度と会う訳でもない相手なので、頷いておいた。

「ここに来たの、彼氏探しが目的じゃないよね?」

人数合わせであることに気付かれたのかもしれないが、正直に言うのも、友達の手前、まずい気がして、曖昧に笑って誤魔化そうとした。

「男慣れしてないようなフリして、相当遊んでるタイプだろ?」

唐突にそう言われ、気分が悪くなる。

「遊んでません⋯⋯」

「そういう嘘はいいよ。むしろ、派手に遊んでる方が、こっちも面倒がなくて助かるし」

「さっきから、何が言いたいんですか?」