翔太がいなくなった教室。
美咲は1人取り残された。
足に力が入らず座り込んでしまった。
止まらない涙。
しかし涙は自分自身でしか止められない。
美咲は自身のカバンを漁り翔太からもらったハンカチを使って涙を拭う。
「翔太…俺があげたって…私の財布から出したものなんですけど」
ふふっと笑い美咲は立ち上がる。
翔太の机に手をかけ呟く。
「翔太だって最後泣いてたじゃん。お互い様だよ」
美咲は翔太の机から手を離し、窓の外を見上げる。
まだ夕焼けは残っていた。
「うん、大丈夫。私幸せになるよ」
「翔太よりも先に泣き虫卒業するから」
そう呟いて、カバンを肩にかけ、教室を出ていった。
END

