「偶然」

「あ……うん」







ぎこちない返事。



するとジュンくんの隣にいた女の子がひょいと顔を覗かせた。
黒髪に化粧っ気ゼロの色白な肌。クリクリ大きな瞳……純真無垢な雰囲気は、まさに私とは正反対のタイプ。

その娘が吐いた言葉。







「純……だぁれ?」








鈴が鳴るみたいな可愛いらしい声に……………正直イラついたんだと思う。








「あんたこそ誰!」







私の口をついて出たきつい一言。






知らぬ間に、私の中でどす黒いものが広がって渦を巻く。
一旦キレてしまうと、とめどなく口をツイて出てきてしまう。







「ジュンくんの隣のポジション、そこ私のだし!何を抜けぬけとかっさらってんのよ」











でもこの直後、私はこんな事を言ったのをすごく後悔することになる。













動揺して固まっていたはずのジュンくんの表情が見る見る険しくなった。









そして………










「俺………ミケの何?」








今まで聞いたことがないような低い声にハッと我に返る。

見ると、女の子は私の剣幕に怯えて涙目になってる。