「ええっ!別れるって、なんで?!」


「なんでって……もう好きじゃなくなっちゃった。ごめんね☆ばぁい♪」


「そんなのねーよぉ。ミケ~(泣)」








―あ~、コイツも違かった―










泣き付く男(元カレ)をほったらかして、さっさとその場を立ち去る。








今捨てたのは、26歳の商社マン。
金回りは確かに良かったけど、事あるごとに『愛してる』って言われるし、会う度に身体を求められて正直ウザいんだもん。






今日も『今日正式に婚約しよう。ホテルでディナーの後…部屋取ってあるからね』な~んて言いやがるから、温厚な私の堪忍袋の尾も切れるわよ。







「あ~…やだやだ」







ブーツのヒールを鳴らしながら、指輪やネックレス、更にピアスも次々と外す。


全部あいつからの貢ぎ物。






そのまま橋の欄干に近付く。








「やっ!……とぉ」









ポチャン









みんな捨ててやったわ。












これで23人目。




いろんな年代の男と付き合ってみたけど………


み~んな私の心は満足させられなかった。



何が足りないのかって?
そんなの知らない。




なんかが足りないのよ。







好きだよ。愛してる。なんて言葉もグッとなんてこないし、エッチしてても気持ち良くないし、何も満たされない。






毎回別れた後に残るのは………虚しい気持ちだけ。