シオン─貴方が心に灯してくれた光の花─






中学生になり、私の親友で心友の柚ちゃんは遠い地に引っ越してしまった。


だから心強くて優しい味方は、もう側にはいない。
また一人になった。


一人は好き、だけど……


一人(こどく)になった私は何も出来ない。




それを皆んなは知っている。だから、“いじめ”はまた始まった。




いつしか影として扱われるようになって無視されるようになった。
教室のざわめきの中で、私はただ空気と同じだった。目が合うことも、話しかけられることもない。


なのに主犯格は、私の悪口や陰口を皆に言う。
しかもそれを、わざと私の真後ろに来て聞こえるように大きな声で言うのだ。


「桜花さんって、名前きれいなのに顔が…というより全体的に残念だよね〜(笑)てか、キラキラネームすぎん?!(笑)」

「あんな顔して、しかも、あんな喋り方で恥ずかし気もなく、よく生きてられるよね〜(笑)」

「それにさぁ、暗すぎじゃね?根暗の陰キャ(笑)」

「机だけがお友達なんだよ(笑)」

「机と空と床くらいしか友達いないよな〜(笑)」

「そうそう!ほんっと、名前がもったいない!!」

「分かるわ〜(笑)名前負けしてるよな〜(笑)」

「それなすぎて、マジ腹痛ーい(笑)」


そんなこと、ずっと前から知っている。
言われなくても誰よりも知っている。
そう、誰よりも思い知っている。


私だって、生きていてとても恥ずかしい。


私が、どれだけ死にたいと思っているのか知ってる?


どれほど、この世から消えたいと思っているのか知っていて言ってる?


誰にも曝け出せないこの苦しみ分かっていて言っているの?


あーあ、どうせなら教えてあげれば良かったな。

“自分に自信がなくて、余裕もないから人を標的にして、悪口を言うんだよ。”
“あんたらが一番ダサい、生きてて恥ずかしい人たちなんだよ。”って。

まあ、こんなことも言えずに椅子に張り付いたスカートも剥がせない根性無しが、“私”という人間なんだけどね(笑)