シオン─貴方が心に灯してくれた光の花─





私は“あの日”に負った怪我によって、外斜視が強く出るようになった。

ぼーっとしていたり、疲れていたりすると、目が知らぬ間にそっぽを向くようになってしまったのだ。


「M.Sってさ、顔きもいよね!あっ、特に目ね!!」

「言えてる〜!!何もかもがヤバいよね(笑)」

「笑い方が特にキモくてヤバい(笑)笑っている時のガチブスい変顔マジキモイ!!」

「ほんとだよね!あんな見た目で恥ずかし気もなく、よく生きてられるよねって感じ!!」

「私だったら、あんな恥ずかしい見た目して生きられない(笑)迷わずに絶対死ぬわ(笑)」

「確かに〜!うちも〜!!」


周りはこの目を不気味がっている。
それをこの出来事で初めて知った。

そして、私の笑い顔は変顔だと思われているのだということも…。

写真を撮られるのは嫌いだし、ましてや声も入る動画は大がつくほど嫌い。


つまり、自分のことが心の底から大嫌い。


それでも裏でそれだけの悪口雑言を吐いて、表では平然と友達面(ともだちづら)をされていたことは許せなかった。


と言うよりも、裏切られていたことに気づけなかった自分自身が一番惨めで情けなくて許せなかった。


別に友達はすぐに裏切るものだと思い知らされていたから、そこに関してはショックではなかった。

ただ、主犯格が幼稚園からの友人だったのだ。ずっと仲良しだと思って少し心を開いていたから、そんな子に裏切られていたことを知った私は、底知れないショックを受けた。





あんなに信じていた相手(ともだち)だったはずなのに、簡単に裏切られたことで、心の中の何かが音を立てて崩れていった。


気がつけば、もう家族と柚華ちゃん以外、誰のことも信じられなくなっていた。

私の世界には、家族と柚華ちゃん以外の“味方”はいない。


見かけのやさしさも笑顔も、全部うそにしか思えない。


これからは、できるだけ心の扉を閉ざして生きていくしかない。