■リベンジ 知坂編。

食事の後片付けをしてシャワーを浴びて、昨日天真にやってもらったスキンケアを今日は私が時間をかけつつも頑張った。

女って大変だぁ。

あ、そう言えば天真にたくさん服買ってもらったから、もうよれよれで見すぼらしい服は捨てちゃおうと考え付いたのはほんの思いつき。ちょうど明日がゴミの日だったのもある。

最低限普段着に着られる服だけを残して、何年も着てよれよれで伸びたニットなんてもう見すぼらしすぎて着れない。こんなの着てたらさすがに知坂にも捨てられるよね。と言う思いでゴミ袋にそれらを入れていると、ボストンバッグの底からレシートが三枚程出てきた。

何だろう、何かの服から飛び出たのかな。

とそれを手に取ると三枚が三枚ともイタリア語?みたいな店名の入った飲食店のものだった。私は行ったことのない覚えのない場所。

首を捻っていると

「どうした?」と風呂上がりの天真が首にタオルを下げて歩いてきた。

「うーん、これ私の知らないお店のレシートがバッグの中に入ってて」何となく天真にその三枚のレシートを見せると

天真はそのレシートを手に取りながらまじまじ。

「これ、同じ曜日だな。毎週水曜日になってる。しかも飲食内容からすると二人分ってとこか」

「毎週水曜日―――?」私が目を上げると

「何だ?何か思い当たるフシでもあるのか」

「うん、毎週水曜日知坂が仕事の後会議だからその日だけは毎回帰るのが深夜だった」

天真はそのレシートにくんくん鼻を近づけ

「匂うな」と眉間に皺を寄せた。

もう天真が何を言おうとしてるのか鈍感な私でも分かるよ。

知坂―――会議と嘘ついてその店で浮気相手と会ってたんだ。

私とは三か月に一回安い居酒屋さんにしか連れて行ってくれなかったくせに。

もう終わったことなのに―――今更ながら怒りがふつふつと湧いてきた。

堅実家だと思ってたけど、ただのケチで私には出すお金はないけど、あの浮気相手には色々買ってあげたり連れて行ってあげたりしたに違いない。

ぎゅっとスウェットを握っていると、しゃがみ込んでボストンバッグの中身を覗き込んでいた天真が

「で、どーする?」と聞いていた。

それは唐突過ぎる質問で質問の意味が分からなかった。

「どーするって…?」

「店も、大体行く曜日も分かってる。

復讐


してみない?」