パンっ!と乾いた音を立てて私はショウの頬に一発平手打ちをかましてやった。
「私を見くびらないでよ」
気丈に睨んでやると
「このくそ女」と言ってショウは私に乗りかかったまま急に両手で首を掴まれた。
これはもう立派な暴力だ。殺人未遂ての?
「今よ!天真!」と叫んだが天真が入って来る気配はない。それどころか二人からの声も聞こえない。
どうして!?
「仲間が居たのか?生憎だがこの部屋の前に突っ立っている用心棒たちは強いぞ?それに調べたらお前から変な周波が出ていたからな、傍受されてると思って電波を切ってやった」
見抜かれていた!?
イヤホンは故障ではなくショウの仕業だったわけね。
ぐっとショウの手が私の首を絞める。気道が絞められて息をするのが精一杯。ショウの足が私のスリットから覘いた足に絡まって来る。
「お前何者だ?俺をハメにきたのか?」
やられる!
そう思ったら自然と両腕が動いた。両手をあげ
「何だ?もう降参か?これからはゆっくりたっぷり楽しもうぜ」とショウが爬虫類の目で笑い、しかし私の方もにやりと笑うと私の表情を見たショウが一瞬怯んだ。その隙をついて私はショウのこめかみを両手の母指球で思いっきり殴ってやった。これにはショウも予想していなかったのか、我ながら結構なダメージを与えられたと思うショウの手が離れて行って、私が素早く起き上がるとパンプスのままショウの腹に蹴りを入れてやった。
ショウがみっともなく後ろにひっくり返る。
「な……!」腹を押さえたまま、相当な威力だったのかショウは涙目になって起き上がろうとしたが、またももう一発腹に蹴りを入れるとショウはベッドから転がり落ちた。
「言ったでしょう?甘く見るなって」
良かった!天真から教えてもらった護身術がこんな所で役に立つなんて。しかもスリットの入ったドレスのおかげで蹴りが入れやすかったし。もしかして天真、これを計算していた?
ていうか天真がここに来れないとなると自力で何とかするしかない。
どうすれば!?
何か武器になるものをキョロキョロ探していると
「ピンポーン、お客様~、ルームサービスで~す」
天真!?
天真の声が聞こえてきて、私とショウが顔を上げると天真がトレーに乗せたクリームいっぱいのパイをショウの顔に顔面ダイブ。
ぅわ……



