「何がしたいのか、わっかんないけどさ。
普段はかなり元気な奴でメチャメチャうるさいんだよ。
でも、体が弱くて薬が手放せなかったんだ。」
桜さんは淡々と喋る。
下を向き、髪で顔が見えない。
「んで、あのバカ、何で気迷ったか知らねぇけど、
中2のときに大量服用したの。バカだよねー。」
桜さんは辛そうに笑う。
桜さんにそんな過去があったんだ。。。
それは私が入っちゃいけない過去だった。。。
「笑っちゃうよねー。好きでも・・・好きでいちゃ辛いのに・・・。」
私は桜さんの背中をさすった。
悠チャンは・・・私が事故にあって目を覚ます空白の一ヶ月間、
どんなふうに思っていたんだろう・・・。
悠チャンだったら・・・
「でもさ、美化されてんだよ。今、あいつに会えない分、
楽しかった思い出やあいつの笑顔。
辛かったこともケンカしたことも全部全部・・・
大好きだったんだから・・・。」
桜さんのスカートに水滴が落ちる。
「だったら、今、たくさん泣きなよ。
その彼氏さんのために。。。」
好きなのに好きでいちゃ辛くて・・・
この思いは伝わらなくて・・・
ずっとずっと桜さんは自分の気持ちを溜め込んできたのかな?・・・
休憩時間が終わりのコールが鳴った。
「行かないとじゃないの?
あたしなんか放っといていいから行きな。」
桜さんは下を向いたまま手で顔を隠した。
「じゃあ、すぐ戻ってくるから待っててね!!
帰るとき一緒に帰ろうね!!」
「はいはいww」
でも、次に休憩室を戻ったときには、
椅子に桜さんの姿は
なかった・・・



