「わぁ~!ありがとうございます!」
私は試しに再生ボタンを押した。
「♪~♪~♪~」
広さんの声やひぃちゃんの声、悠ちゃんの声までが聴こえる。
そして、私が大好きな『TE QUIERO』の曲も・・・
「文化祭のライブ、幸ちゃんが気に入ってると聞いて、
テープにダビングしました♪」
「すごぉ~い!」
広兄は嬉しそうにラジオから流れる歌を聴く。
すると突然、広さんが言った。
「俺、少しのあいだ、ここを離れるんだ。」
え…?
広さんは気まずい顔をする。
「いきなりでゴメンね。
でも、夢を追いかけるために上京するんだ。。。」
「夢って…?」
広さんは困ったような顔をする。
「笑わない…?」
私はうなずいた。
「芸能人なることだよ。」
広さんは一呼吸あける。
「そのために正月までここを離れるけど…」
「・・・頑張ってくださいっ!」
私は大声で言った。
「夢を追いかけるってカッコイイです。。。
だから、胸張って、頑張ってください!」
私には叶わないことだから…
「ありがとう。そうだよね、なんで暗くなってんだろうww」
″アハハ″っと照れくさそうに頭をかく。
そうだよ、これがいつもの広さん。



