「僕、悠チャンのこと許せないんだ。」
ひぃちゃんは私から目を反らし、静かに言った。
「幸ちゃんを一人にさせるなんて。」
ひぃちゃんの表情は笑っているのか怒っているのか分からない。
「でも、私は平気だよ。」
私の言葉に反応してひぃちゃんは顔を上げた。
「嘘つかないで。桜さんに言ったように正直に言って。」
ひぃちゃんは真剣だった。
「僕は悠チャンが居れば幸ちゃんが幸せになると信じてた。
でも、今の幸ちゃんは幸せそうじゃないよ…。」
「だから・・・。」
「退院したら…僕の元においで…。」
ひぃちゃんの言葉に・・・迷いはなかった。



