ベンチを見ると、磯山が柵から身を乗り出している。
今…磯山が“悠チャン”って・・・!?
「悠ちゃんはキャプテンなんだよっ!
皆のこと一番に考えなきゃいけないんだよっ?」
磯山は俺に叫ぶ…。
なんだか…誰かの言い方に似てる…。
「だから、いつもの悠ちゃんみたいにかっ飛ばしせぇー!」
そして、磯山は息をすぅっと吸って最後に叫んだ。
「by 新井幸ー!!!!」
さち・・・!?
磯山は俺に手を振る。
その手はケータイを持っていた。
さち・・・・ありがとうっ!!
心の奥から温かいものが溢れてきた。
「うらぁ~!2アウトォ~!しまってこぉ~!!!!!!」
俺は幸にも聴こえるように大声で叫んだ。
「おぉー!バッチこぉ~い!!」
「打たせろ!打たせろ!」
「ピッチいいよぉ~!!」
内野や外野たちが声を掛け合う。
さっきまで、つーんっとしていた田口はなぜか笑いを堪えている。
一気にチームの雰囲気がよくなったようだ。
俺はベンチに居る監督を見た。
監督はニッコリと笑い、うなずく。
さっきまで気迷ってたのが馬鹿みたいだ。
いくら相手チームに飛び抜けて凄い奴がいても、
俺は・・・
こいつらを信じる!!



