「いちのせっ!もぅやめろっ!!!!!」
監督が席の奥からピシャリと言った。
俺は驚いて田口の胸ぐらを離した。
「お前ら、なんでバッテリーとして選抜に選ばれたか忘れるなっ!!!!!」
監督がいかつい声で俺たちに怒鳴る。
「はい…。」
俺と田口は呆気に取られ、気の抜けた返事をした。
「スリーアウト!チェンジ!」
審判の声が聴こえ、急に周りの雑音が生き返った。
「さっ!切り替え、切り替え!ちゃんと押さえなさいよぉ~!」
磯山が手をパンパンと叩き、皆を送り出す。
俺もミットを握り締めて行こうとした。
「・・・一ノ瀬くん…。」
後ろから磯山に呼ばれた。
「絶対…甲子園行こうね。」
磯山は静かな声で俺に言った。
その時の磯山の声は重く、頭の中で余韻が残っていた。。。



