~Yusuke~
「お前、南葉ばっか見てるだろっ?」
田口にマウンドで言われた。
見てねぇよ。
ただ…キャッチャーだったら、あんな鋭い送球を見て、
受けてみたいと思わない奴はいないだろ?
ヒカル…そういえば投手希望だったな…。
俺、早くヒカルの才能に気づいていれば・・・
「悪かったな。俺はクソ投手で。」
ベンチで田口は俺の隣に座り、
スポーツドリンクを飲んでいる。
「誰もそんなこと言ってねぇだろ。」
俺は田口を睨んだ。
「あー、そうだな。でも、残念な事に試合では、
俺の球を取んなきゃなんねぇけどな♪」
「だから、誰もヒカルとお前を比べてねぇよ!」
俺は立ち上がり怒鳴った。
ベンチの中は静かになった。
田口は苦笑する。
「ほら、比べてんじゃん。誰も南葉って言ってねぇぞ?」
田口は笑っていたけど、目は笑っていなかった。
俺はむしゃくしゃして田口の胸ぐらを掴んだ。



