~Sachi~
「輝なんで上手いのに補欠なんだ?」
広さんはケータイに話しかけた。
「監督の予測だと、南葉君を後半に出して、一気に流れを変えるためらしいわ。」
ケータイからマネージャーさんの声が聴こえる。
周りの雑音も聴こえ、ときどき皆の声出しも聴こえる。
「じゃあ、ショートの怪我は計算済み?」
「それは偶々じゃない?
まぁ、一つ言えるのは選手を見極めるのは、
あっちのほうが上手だったって事かな?」
私はラジオで実況を聴いているように、ぼーっとしていた。
やっぱり私・・・
野球…分かんない。。。
悠ちゃんにルールぐらい教わればよかった。。。
「幸ちゃんっ!」
広さんは隣でニッコリ笑った。
「幸ちゃんは、どっち応援してる?」
「えっ…。」
私は黙ってしまった。
だって・・・どっちも負けてほしくない・・・
「分かりません。。。」
広さんはアハハと高笑いする。
「だよねぇ~。俺も分かんないよぉ~♪」
なぜかその笑顔でホッとした。



