「もしよかったら席座りますか?」


優しくて心地良い声が聞こえた。


「本当に?じゃぁ座らせてもらおうかね。
ありがとうね。」

「いえいえ」

声のする方に目を向けると、男子高校生がおばあちゃんに席を譲っていた。

またできなかった、、私ってダメだな、

あの男子高校生は躊躇なく声をかけて凄いなと
思いながら見ていると、ん?もしかして同じ制服?


そう思った時彼がちょうど振り返った。


サラサラの茶色がかった髪にキリッとした目。


高い鼻に、形のいい大きめの口。


世の中のかっこよさを詰め込みましたみたいな顔だ。


そして私はこの人を一方的に知っている。