あなたが見ていてくれたから

え、今成川って言った?

もしかしなくても私のことだよね?

「了解でーす」

成瀬亮は嫌がる様子もなく普通に返事をした。

2人だと気まずいし私がささっと日誌書いて
提出しとくよと伝えようと思い隣に顔を向けたら

急に成瀬亮が近づいてきた。


「今日は日誌書くだけでいいから日直でラッキーだな」


「そ、そうだねー」


そんな眩しい笑顔を向けられたら何も言えない。

まぁ仕方ないか。

「それではみなさん気をつけて帰ってくださいね」

先生の号令と共に教室が一気に騒がしくなった。

「雪!日直面倒だけど成瀬くんとならラッキーだね!」

春奈にとってはそうかもねと思いつつ口にはしなかった。