あなたが見ていてくれたから

「ストップ!やっぱり俺やる!」


隣の席の成瀬亮が立ち上がりながら言った。


「えっマジで!亮やんの!」


「うん!やる!俺向いてると思う!」


成瀬亮が少しふざけながら言った。


するとさっきまでのピリついた空気が嘘のように
和んでいく。

女子たちも亮くんがやってくれるなら嬉しいと
騒ぎ始めた。

この男凄すぎる。ここまでできるやつだったとは。

ちらっと山本さんを見ると安堵の表情を浮かべていた。

「では、うちのクラスは成瀬さんが学級委員ということで。ついでに今日の日直も隣の成川さんと一緒にお願いします。」


「えっ!」

やば、おっきい声出しちゃった。

私は慌てて手で自分の口を押さえた。